GRANTA EduPack
 
    ものごころがつけば,世の中は多様な材料であふれていることに気がつきます.鉄,銅,アルミのような金属,木材,皮,石などの天然素材,さらにプラスチックス,セラミックスなど千差万別です.社会に出れば,材料の製造,あるいはその材料を用いた製品作りに従事することになるかもしれません.さて,材料に関する膨大な情報をどのような方法で次の世代に伝えていけばいいのでしょうか.その一つの答えが,GRANTA EduPackです.
 

GRANTA EduPackソフトウエア


   GRANTA EduPackのソフトウエアにより,データベースに保存されている材料特性や製造プロセスの膨大な情報へのアクセスが可能となります.抽出されたデータを材料選定や研究課題に利用できます.

材料データの閲覧と検索


   ツリー階層中にある特定の材料や製造プロセスを閲覧機能で簡単に見つけることができます.アイコンをクリックすれば該当するデータシートが表示され,材料の説明と特性データが得られます.さらに,ハイパーリンクにより,関連のレコード(たとえば,ある材料に関係する製造プロセス)あるいは補助的情報(たとえば,ある材料特性の定義についてのサイエンスノート)にアクセスすることができます.


   一方,検索機能で名称,商標,使用目的あるいはキーワードを指定すれば,該当する材料および製造プロセスのレコードを抽出することができます.たとえば,“ABS”と入力すればABS材料のレコードが見つかります.

   GRANTA EduPackソフトウエアは,材料と製造プロセスのコースを受講している学生に,スピード,双方向性,使いやすさ,そして明快なプレゼンテーションによって効果的な学習環境を提供します.この環境をより強固にするため,以下の分析ツールが組込まれています.

Materials Science and Engineering links many different disciplines.  It is a bridge between designers, who use materials, and scientists, who devise and develop new ones. It deals with the physical stuff of which everything is made, and thus connects engineering and scientific concepts with the real world of products and people. It is critical to our survival in an increasingly technology and material-dependent world.


"Why is Materials Education important?" 5 min video gives an overview of how Granta Design provides resources and support for anyone teaching materials or related topics across the full range of disciplines in engineering, science, and design.


Our task, as instructors, is to inspire students to learn about Materials Science and Engineering.  As the quotation above suggests, that is best achieved through their involvement.  The GRANTA EduPack suite of resources, methods, and databases is designed to contribute to this involvement, both at a simple level (exploring materials and their properties) and a more advance level (design of new materials, Eco-audits of products, analysis of projects for Sustainable Development).  We feel that much more can be done to move the teaching of Materials beyond the “teach me” phase to the “involve me” future. 

- Sharing projects, resources and experience,

- Sharing experience of new approaches to teaching such as:

  • The "Flipped Classroom" approach
  • Activity-based projects
  • Role-playing as a tool for Sustainability analysis
  • The development of on-line courses (MOOCs)

レベル1の材料データベースの表示. 左側の画面には全材料がツリー構造で示されています.データシートにはアルミ合金に関するレコードが表示されています.  

材料の選定ツール

    材料選定ツールを用いれば,材料および製造プロセスをある方針に基づいて選定することができます.特定のデザイン目標にマッチする材料を見つられるよう,特性データの限界範囲指定やグラフ作成のための機能が用意されています.最も効果的なのは,アシュビーチャートと呼ばれる材料特性チャートを描いてみることです.入門レベルでは,チャートのビジュアル効果により,学生の関心は金属,ポリマー,セラミックスなどの材料の各種ファミリーの違いに向かいます.このような材料データに関する調査を通じて自己学習の能力が向上します.

 














                                                 レベル2における全材料に関する特性チャート

    より上級のレベルでは,最適な材料あるいは製造プロセスが,デザインの条件として拘束条件と目的関数を指定することで選定できることを学習します.たとえば,“材料は導電体でなければならない”あるいは“材料は型成型が可能でなければならない”といった制約が拘束条件で,ソフトウエアでは複数の条件を指定することができます.次に,目的関数の機能が候補のランクづけに用いられ,たとえば“コストの最小化”あるいは“重量の最小化”が可能となります.目的関数には,“ヤング率と密度の比”や“強度と単位体積当たりのコストとの比”のような性能指標が用いられる場合もあります.材料とプロセスの選定作業の結果をファイルの形で保存することができます.

    材料に関する教育は古くから多様な手法が提案されてきました.その中で,ケンブリッジ大学のアシュビー(Ashby)教授が確立したアプローチはユニークです.その成果は,現在ではGRANTA EduPackというソフト+データベースとして集大成されています.

GRANTA EduPackソフトウェアによるブチルゴムに対するレコードの表示:データベース中の特性に関するサイエンスノートが表示されています.

ビデオ:"材料教育はなぜ重要なのか?"

GRANTA EduPackTutorials
2014/02/27 に公開

サイエンスノート
  データベースはサイエンスノートが含まれており,データベースに保存された特性に関する基本事項が,教科書のスタイルで説明されています.データベースを調べている際に特性の名称をクリックすると,それに対応するサイエンスノートが表示されるようになっています.この機能により,学生を単なる特性データ値の確認から基礎的な原理に誘導することができます.


   サイエンスノートでは材料に関する標準的な教科書を参照しています.ここには,トピックに対する適切な情報が掲載されている教科書中の章が記載されています.これにより,教育コースでのGRANTA EduPackの利用効果が向上します.

   授業での多様な要望に答えるため,レベル1から3の3種のデータベースが用意されています.レベルが1から3に上昇することにより,データベースに含まれる材料と製造プロセスに関するレコード数が増加します,また,各レコードに含まれる情報量も多くなります.すべてのレコードには,材料と製造プロセスに関する概要,その適用範囲,そして設計と製造で利用する際の指針が示されています.実際問題への適用を学生に分りやすく説明するため,材料のレコードにはそれが使用されている製品の画像が入っています.また,製造プロセスのレコードには,その内容を示す画像が含まれています.このデータベースは,通常のデータ源に比べてはるかに優れており,材料と製造プロセスについての学習ということではユニークな情報源となっています.

   もちろん,このデータベースは,特性に関する総合的な情報源として利用できます.そして,個々のデータには“欠落”がないという重要な特徴があります.欠損値は推測量で補われていますが,どのように処理されたのかはデータシート中に記されています.したがって,研究が欠損データのために不完全になることなく,データベースを材料と製造プロセスの比較,分析,かつ選定のために使用することができます.材料データの分析にはGRANTA EduPackソフトウェアに含まれるツール使用します.

   データベースは,材料と製造プロセスを解説だけでなく,学生が両者の関係について調べる際にも役立ちます.すべての材料のレコードは,その製造のために利用できるプロセスのデータとリンクしています.逆に,すべてのプロセスのデータには製造可能な材料のデータとのリンクがあります.

    GRANTA EduPackの中核となるのは革新的なソフトウエアとデータベースです.さらに,補助教材として,教科書,講義録,研究課題および練習問題が用意されており,これらが教育現場の多様なニーズに対応します.

 元素のデータベース

    GRANTA EduPackの元素データベースでは,周期律表に含まれる元素に対し,結晶学,機械,熱および電気に関する特性データを提供します.このデータベースは,材料科学コース,物理学コースあるいは材料に関するより基礎的な知識が要求される工学系のコースで価値があります.
   周期表中には,結晶学的,構造,機械,熱,電気・磁気,拡散および界面エネルギーの特性に関するフィールドが存在します.下の画像はデータ利用法の一例です.ここでは,密度が原子番号に対してプロットされており,その周期的な変動が示されています.他の量についても,このような基本的な関係を同様に調べることができます.

    アシュビー教授の材料教育手法に関する解説記事が,以下のリンクで閲覧できます.
 

GRANTA EduPackのデータベース


   GRANTA EduPackでは,ソフトウェアだけでなくデータベースが重要な役割を果たしています.そこには,材料特性と製造プロセス情報に関するデータ,さらには“サイエンスノート”が含まれています.


   材料特性と製造プロセスに関するのデータは,工学,材料あるいは設計に関連する教育コースの学生と教師にとって有益です.ポリマー,航空宇宙,エコおよび建築などの特定の分野のエディションでは,それぞれに特有の特性データが追加されています.さらに,工学,材料あるいは物理の教育コースを支援するため,周期表にあるすべての元素の特性データベースが用意されています.

材料特性とプロセス情報

   GRANTA EduPackには,材料および製造プロセスに関するデータベースが含まれています.これはユニークで総合的に閲覧可能な情報源で,工業用材料(セラミックス,金属および合金,複合材料,ポリマーおよびエラストマーなど)および製造プロセス(成形,接合,表面処理)に関するデータが保存されています.データベースには,個々の材料と製造プロセスについての説明,画像および技術的・経済的・エコ的特性が含まれています.

   マテリアル理工学 は多様な異質の分野と結びついています.材料を使用するデザイナーと新しい材料を考えて開発する科学者との間の橋渡しをします.ものづくりに使用する物質そのものを扱い,工学と科学のコンセプトを実社会の製品と人間に結びつけます.多様な技術と材料への依存を深めていく世界では,私たちが生き残るために不可欠となります.


  

   5分間のビデオ:"材料教育はなぜ重要なのか?" では,工学・科学・デザインの多方面の分野にまたがる材料とそれに関連する課題に対する教育者に対し,Ansys GRANTAがいかに教材と支援を提供しているかについて説明しています.


  私たちの教育者としての仕事は,学生がマテリアル理工学について学ぶことに対して動機づけをすることです.すでに示唆したように,彼らが熱中すれば最良の形で実現します.GRANTA EduPackパッケージの教材,手法,およびデータベースは,一般レベル(材料とその特性の探求)と上級レベル(新材料のデザイン,製品のエコオーディット,持続可能な開発のためのプロジェクト)のいずれにも寄与するようにデザインされています.材料教育を,"教えて"の段階から"やらせて"へと今後は変化させていけるのではないかと感じています.
- プロジェクト,リソース,経験の共有,
- 以下の教育に対する新規のアプローチの経験を共有する:

  • "Flipped Classroom"アプローチ
  • アクティビティベースのプロジェクト
  • 持続可能性分析のためのツールとしての役割の演技
  • オンラインコース(MOOC)の開発

エコオーディットツール

   エコオーディットツールは,エコデザインのコンセプトの教育や製品の環境影響を分析する研究課題に使用することができます.ユーザは,製品の組成,使用法および輸送法に関する情報を準備します.これらのデータは,製品のライフサイクルの各段階で生じるエネルギー使用量(下図に示す)とCO2の発生量を見積もる際,材料およびその製造プロセスに関するエコ特性データとともに用いられます.








 

   このツールにより,ユーザは,ライフサイクルのどの段階が製品の環境影響に寄与するのかを知ることができます.このことは,環境影響の低減策について考えるための第一歩となります.さらには,学生が合理的にエコデザインを進めるためのアイデアを理解するのに役立ちます.たとえば,製品の全ライフサイクルを分析し,さらに原料製造の際に埋め込まれたエネルギーやCO2発生量のような潜在化した環境コスト,そして製品の廃棄に必要なコストの解析に利用できます.

ソフトの概要
    GRANTA EduPackは,材料と製造プロセスに関する教育コースでの利用のために開発されたユニークなソフトです.以下の幅広いコースにおいて使用することができます.

  • 機械工学と生産工学
  • 材料科学と材料工学
  • 工業デザインと製品デザイン
  • 航空宇宙工学
  • ポリマー科学とポリマー工学
  • エコデザイン
  • 建築と建造環境
  • バイオ工学 


GRANTA EduPackの構成
データベース
    材料と製造プロセスに関する技術的・経済的・環境的特性を網羅したユニークなデータベース,さらには各種の項目についての”サイエンスノート”が含まれています.個々の専門分野に特化したエディションでは,ポリマー,建築およびバイオの各材料についてのトピックスもカバーされています.

ソフトウエア
    データーベースの検索と閲覧が可能です.さらに,サイエンスノートの情報により,その内容を深く掘り下げることができます.各種の材料と製造プロセスを比較するのに便利な機能が用意されており,さらに材料選択チャートを作成・使用することによって最適な製造工程を選ぶことができます.エコデザインにおけるキーコンセプトを見いだすため,エコオーディットツールが用意されています.システムは視覚的で使いやすく,そして興味を持たせるようなデザインとなっています.


教科書
    GRANTA EduPackは,材料に関する標準的な教科書と一緒に使用すると効果的です.もちろん,アシュビー(Ashby)教授とその同僚による以下の書籍はよくマッチするもので,このシステムに付属しています.

  • Materials: Engineering, Science, Processing and Design
  • Materials Selection in Mechanical Design(現在は第5版です.初版の邦訳は:機械設計のための材料選定,内田老鶴圃,1997) 
  • Materials and Design
  • Materials and the Environment 


アシュビー教授の別の書籍については,以下のように翻訳があります.

  • 材料工学入門:正しい材料選択のために(増訂版:内田老鶴圃)
  • 材料工学:材料の理解と活用のために(内田老鶴圃)
  • セル構造体:多孔質材料の活用のために(内田老鶴圃)